うっ滞性皮膚炎
症状
- うっ滞性皮膚炎は慢性浮腫により生じ,脛部で最もよくみられます。
- 徴候としては,紅斑,落屑,そう痒,苔癬化などのほか,滲出性のびらん、痂皮形成がみられますこともあります。
- 合併症としては,二次感染,潰瘍,接触過敏症などがあります。
- 挙上と圧迫が必要になることが多いです。
図のように慢性のうっ滞性皮膚炎は,線維化を伴う皮膚の肥厚と色素沈着として生じることがあります。これらの変化は,皮膚の色が薄い患者(上)と皮膚の色が濃い患者(下)のいずれでも特徴的であり,ここでは右の写真の方がより著明に現れています。
診断
- 臨床的評価
- 血管専門医へのコンサルテーションと検査(ドプラ超音波検査など)が必要になることがあります
治療
- 腫脹の原因の治療
- 圧迫と挙上
- 合併症(例,二次感染,アレルギー性接触皮膚炎,潰瘍)の治療
治療は浮腫の原因に対して行い,潰瘍形成を予防します。
びらんを伴わないうっ滞性皮膚炎は,しばしば中力価のコルチコステロイドの外用(例,トリアムシノロンアセトニド0.1%クリームまたは軟膏)で軽快します。
びらんを伴う(滲出性の)病変には,ハイドロコロイドのドレッシング材が最善となる可能性があります。
蜂窩織炎を合併している場合は,抗菌薬内服により治療します。
びらんおよび潰瘍の治療には抗菌薬の外用薬(例,ムピロシン,スルファジアジン銀)が有用です。浮腫および炎症が沈静化してからは,大きな潰瘍に対して分層皮膚移植が必要になる場合があります。
うっ滞性皮膚炎の皮膚は,直接的な刺激物や潜在的に感作能をもつ外用薬(例,抗菌薬,麻酔薬,外用薬の基剤[特にラノリンまたはウールありますコール])の影響を受けやすいです。
