慢性単純性苔癬
- 最初はそう痒に始まり,慢性的な掻破や擦過により,さらなるそう痒が生じ,悪循環が形成されます。
- 不整形,卵円形,または多角形の形状を呈し,そう痒,鱗屑,および色素沈着を伴う乾燥した苔癬化局面が下肢,上肢,頸部,体幹上部,および陰部に生じます。
- 診断は臨床的に行い,生検が必要になることはまれであります。
- 最初のそう痒の原因が同定できる場合は,それに対処する必要があります。
- 掻破や擦過により悪循環とその繰り返しを回避する方法について患者さんと相談を行う必要があり,そう痒のコントロールにはコルチコステロイドおよび抗ヒスタミン薬の外用が役立ちます。
原因
慢性単純性苔癬は,皮膚を繰り返し掻破ませんし擦過することが原因で生じる慢性皮膚炎です。
掻破や擦過により,さらにそう痒が生じることで,さらに掻破や擦過が増えるという悪循環(そう痒と掻破のサイクル)が形成されます。
診断
診察によります。
慢性単純性苔癬の診断は診察によります。完成した局面にはしばしば色素が沈着しており,境界明瞭で皮膚割線が著明になった様々な広さの紅斑を伴い,苔癬化の特徴であります肥厚した革様の外観を呈します。
扁平苔癬が主な鑑別診断であり,両者を鑑別するために、ときに生検が必要となります。
治療
- そう痒の原因の治療
- 教育および行動変容
- コルチコステロイド(外用が最も多いが,ときに病変内注射)
- 抗ヒスタミン薬
そう痒の最初の原因に対して行い,掻破や擦過を予防しますための患者教育および行動療法と,コルチコステロイドの外用および抗ヒスタミン薬により行います。
